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Ⅰ はじめに

2023年12月20日、東京証券取引所における東芝株式の取引は最終日となり、東芝は74年にわたる上場会社としての歴史に幕を閉じた。上場会社の非上場化といえば、経営陣がファンドと組んで行うMBOや親会社による完全子会社化による上場廃止が、最近では増加している。MBOや完全子会社化は多くの場合、経営上の必要性に基づいて計画的に行われるものであるが、東芝の上場廃止は多くの要因が重なりあった末に、やむに已まれず市場から退場したという点でかなり特殊性がある。発端となった会計不正以後の東芝が辿った経緯は、多くの法律上の論点を提供し、非常に興味深いものがある。¶001