FONT SIZE
S
M
L
A市水道企業は浄水場落成式を行った際、招待客から祝い金を受け取ったが、当該金員は水道企業の会計に計上されず出納員により所持管理され、この中から別席招宴や饗応の費用の支払いが行われた。X(住民、原告・被控訴人・被上告人)は当該金員の管理について住民監査請求をし、昭和49年11月19日、監査の結果の通知を受け、同年12月17日、これを不服として地方自治法(平成14年法律4号による改正前のもの。以下「法」)242条の2第1項4号による住民訴訟を提起した。その際、当初提出された訴状では、被告の表示が「A市監査委員」および「A市長Y」、事件の表示が「地方自治法242条の2第1項3号による違法確認」、請求の趣旨が「A市長YがA市南部浄水場落成式に際し、A市に対しなされた寄附金の管理が違法であることを確認する」と記載されていたが、昭和50年5月14日、A市監査委員に対する訴えの取下書および請求の趣旨を「A市長Yは、A市に対し、……金員を支払え」と訂正する旨の請求の趣旨訂正申立書を提出し、同年6月8日、被告を「A市長Y」から「Y」に訂正する旨の被告変更許可の申立書を提出した。第1審裁判所は、A市監査委員およびA市長に対する訴状送達をしないまま被告の変更を許可し、同月21日、Y(被告・控訴人・上告人)に対し訴状副本、請求の趣旨訂正申立書副本および被告変更許可決定正本を送達した。
この記事は有料会員限定記事です
この記事の続きは有料会員になるとお読みいただけます。