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事実の概要
本件は、Xら(茨木市住民―原告・控訴人=被控訴人・被上告人)が、平成7~16年度にかけて当時の市長の決裁に基づき補助職員が専決により行った臨時的任用職員に対する年2回の一時金支給(以下、「本件一時金」)について、条例に根拠がない違法な公金の支出であるとして提起した住民訴訟(4号請求)である。地方自治法(平成20年法律69号による改正前のもの)は、普通地方公共団体が常勤の職員に法定の各種手当を支給することができる旨定めるが(204条2項)、非常勤職員には議会の議員を除き手当の定めはない。同市の「一般職の職員の給与に関する条例」(以下、本件条例)にも手当を含め臨時的任用職員に関する定めはなかった。本訴提起後に本件条例は改正され、同職員に関し①賃金は日給または時間額の範囲で規則に定める基準に従い任命権者が別に定め、②規則で定める者に期末手当相当分の賃金を支給することができ、③改正前に支給された賃金は改正条例およびこれに基づき制定された規則に基づき支給されたとみなす旨定められた。¶001