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Ⅰ はじめに

本稿は、COVID-19のパンデミックに対応する財政措置について、日本と主要各国の動向を比較しつつ、危機対応の「副作用」も視野に入れて、これまでの約3年半を振り返ることを目的とする。¶001

なお、ロック・ダウンや休校措置などの施策は、COVID-19に脆弱な高齢者の生命・健康を守るべく若年世代や幼年世代に多大な負担を課しており、(公的債務の急増とともに)世代間衡平の問題に大きな影響を及ぼしている可能性が高い点は別稿で既に論じた1)。本稿では、世代間衡平以外の「副作用」に焦点を絞ることにしたい。¶002