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Ⅰ はじめに

1 課題の設定

一般に新型コロナウイルス感染症と呼ばれたCOVID-19は、現在、感染症法1)上は五類感染症に位置づけられ2)、法制上は新型コロナウイルス感染症ではなく、新型インフルエンザ等感染症でもない3)。しかし、COVID-19は、当初指定感染症として、令和3年法律第5号4)による改正後は新型インフルエンザ等感染症の一類型たる新型コロナウイルス感染症と位置づけられ、その感染者5)・感染疑い者6)に対し感染症法の定める措置が行われる中、同法に様々な問題を突き付けた。国会は、これらの問題への対処として令和3年法律第5号と令和4年法律第96号7)とにより感染症法に改正を加えた8)。このうち、前者による改正後の規定はCOVID-19感染者等に対して適用されたが、後者による改正後の規定は、現在の状況が続く限りCOVID-19感染者等には適用されず、次の新興感染症(再興感染症も含む。以下同じ)によるパンデミック時に(日本国内で発生した場合はエピデミック時にも)適用されることになる。¶001