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事実の概要

X(原告・被控訴人・被上告人)について、昭和3年1月16日に母訴外Aの子として出生届が、昭和4年4月19日に訴外Bによる認知届がされていたところ、昭和35年にBが死亡した後、昭和61年頃に至ってXが検察官Y(被告・控訴人・上告人)を被告としてBの認知について認知無効の本件訴えを提起した。その主張は、XはAと訴外Cの間の子であり、XもAもBとは会ったこともない、というものである。¶001

なお、Cは昭和60年に死亡しているようであり、Xは本件訴えと併合して同じく検察官を被告とするCに対する認知の訴えをも提起したが、両請求の弁論が分離されたという事情があり、本件ではCの子および孫が被告補助参加人として実質的な訴訟活動をしているようである(富越和厚・曹時41巻11号3339頁参照)。¶002