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事実の概要

X女(原告・控訴人・上告人)とA男は、昭和42年5月に結婚し、昭和43年に長女が、昭和46年に長男が出生したが、その後、性格の相違や金銭に対する考え方の相違等が原因になって、両者の夫婦関係は次第に悪くなった。その後、Aの昭和57年のB株式会社への転職と同59年のB社代表取締役就任を契機に、両者の関係は著しく悪化し、Xからは財産分与を要求する等の状況となった。Aは、昭和61年7月頃、Xと別居する目的で、家庭裁判所に夫婦関係調整の調停を申し立てたが、Xが調停期日に出頭せず、Aはこの申立てを取り下げた。Aは、昭和62年2月に大腸癌治療のために入院して、手術を受け、翌月末に退院したが、この間にB名義で本件マンションを購入した。そして、入院中にXとの別居の意思を固めていたAは、同年5月、本件マンションに転居し、Xと別居するに至った。¶001