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事実の概要

Aは、会社Bの代表取締役であり、妻の親族Y(被告・被控訴人・上告人)から、Bが他から社員寮を賃借するについて保証人となることの承諾を得ており、その保証契約締結の権限を与えられて実印の貸与を受けていたところ、取引先の電気器具販売会社X(原告・控訴人・被上告人)から、BのXに対する継続的売買取引上の債務につき連帯保証人を立てるように要求された。そこでAは、Yから与えられた上記の代理権限を越えて、BがXに現在負担し、また将来負担する商取引上の一切の債務について、Yが連帯保証人となる旨の根保証契約(本件根保証契約)を締結する約定書(「本件約定書」)を、Yの名で作成し、これにYの実印を押捺したうえで、市役所から交付を受けたYの印鑑証明書を添えてXに差し入れた。Xは、Yの差し入れた印鑑証明書により本件約定書のY名下の印影がYの実印によるものであることを確認し、Yが自らの意思に基づいて本件約定書に記名押印をしたものと信じて本件根保証契約を締結した。Bが倒産したため、XはYに対して、Bが振り出した約束手形6通の保証人としての責任を追及する本件訴訟を提起した。¶001