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Ⅰ 改正に至る経緯

性犯罪については、平成29年の「刑法の一部を改正する法律」により、現行刑法の制定以来、初めてといってよい大きな改正がなされた。しかし、同改正に至る過程で議論がなされたものの、最終的に改正に結びつかなかった項目が数多くあったこともあり、同法律の附則には、いわゆる3年後見直しの規定が置かれていた(附則9条)。また、これより前に、平成28年の「刑事訴訟法等の一部を改正する法律」の附則では、同改正の内容には含まれていなかった、起訴状等における被害者の氏名の秘匿に係る措置について、同法律の公布後、必要に応じ、速やかに検討を行うものとされていた(附則9条3項)。¶001