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本稿は、マイナンバー制度に関する最高裁令和5年3月9日判決(裁判所Web〔令和4年(オ)第39号〕)(以下、「マイナンバー判決」という)を契機として、対国家の関係における憲法上の個人情報に関する権利とその違憲審査の枠組みの現状をできるだけ判例内在的に探求する。そして、デジタル社会で重要な位置を占める個人情報の取扱いに、基本的人権の観点から判例上いかなる限界が設けられているのかを明らかにするとともに、判例法理の課題を検討し、マイナンバー制度の今後の法的位置付けを展望する。¶001