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Ⅰ はじめに

性的な姿態を撮影する行為等の処罰及び押収物に記録された性的な姿態の影像に係る電磁的記録の消去等に関する法律(令和5年法律第67号。以下、「本法律」とする。本稿中の条文は、断りがない限り本法律のものを指すこととする)は、刑法及び刑事訴訟法の一部を改正する法律(令和5年法律第66号)と同日の2023年6月16日に成立した(本法律の公布は同月23日)。本法律は、「性的な姿態を撮影する行為等による被害の発生及び拡大を防止する」という目的の下、大きく分けて以下の3つのことを定めている(1条参照)。すなわち、①他人の性的な姿態を撮影する行為、およびこれにより生成された記録を提供する行為等の処罰(2条ないし7条)、②性的な姿態を撮影する行為により生じた物を複写した物等の没収(8条)、③押収物に記録された性的な姿態の影像に係る電磁的記録の消去等の措置(9条以下)である。このうち、本法律の本則中、①および②に係る部分は2023年7月13日に施行され、③に係る部分は、公布の日から起算して1年を超えない範囲内において政令で定める日から施行されることになっている(附則1条。本稿執筆時は未施行)。¶001