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Ⅰ はじめに

令和5(2023)年10月1日より、消費税制度において、適格請求書等保存方式(以下、「インボイス制度」)が導入される。消費税が創設された平成元(1989)年以降、30年を超える消費税制度の歴史の中で、一つの画期となる改正であると言える。¶001

インボイス制度は、令和元(2019)年10月の軽減税率実施に伴い、複数税率制度の下で適正な課税を確保するために導入されるものであり、売手側に、税率を区分して記載した請求書等(インボイス)の交付義務や写しの保存義務を課すとともに、買手側が仕入税額控除の適用を受けるために、原則として、帳簿に加えてインボイスの保存を要件とする制度である。¶002