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Ⅰ はじめに

インターネット上の電子掲示板やSNS等への投稿を行った者に関する開示請求の対象となる情報は、特定電気通信役務提供者の損害賠償責任の制限及び発信者情報の開示に関する法律(以下「プロバイダ責任制限法」という)の委任を受け総務省令で定められているところ、令和2年総務省令改正により、「電話番号」が追加された。その後、同改正前に行われた投稿についても電話番号が開示対象となるか否かが複数の事件において争われ、下級審裁判例の解釈が分かれていたが、本稿で取り上げる最高裁令和5年1月30日第二小法廷判決(裁判所Web)(以下「本判決」という)は、電話番号についての開示請求を棄却した原判決(東京高判令和3・9・24 D1-Law 28293445)を破棄の上、請求認容の判断を示した(なお、同日、令和4年(受)第13号〔判例集未登載〕についても、第二小法廷において本判決と同旨の判断がされた)。本判決は、当該論点について判断を統一するという実務的な意義を有することに加え、改正法令の時間的適用範囲という問題を論じる上で参考になるケーススタディといえるため、本稿で紹介する。¶001