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事実

被告人は、共犯者と共謀のうえ、盗撮用の小型カメラを設置する目的で、パチンコ店の女子トイレ内に、共犯者において侵入したうえ、用便中の女性の姿態を同所に設置した小型カメラで撮影し、もって公共の場所において、人を著しく羞恥させ、かつ、人に不安を覚えさせるような卑わいな行為をした。¶001

第1審判決(さいたま簡判平成30・2・15刑集74巻7号742頁)は、被告人には、建造物侵入罪と埼玉県迷惑行為防止条例2条4項(盗撮)違反の罪(同条例12条2項1号)が成立し、両罪は刑法54条1項後段の牽連犯の関係にあるとした。そのうえで、建造物侵入罪の法定刑は3年以下の懲役又は10万円以下の罰金であり、埼玉県迷惑行為防止条例違反の罪の法定刑は6月以下の懲役又は50万円以下の罰金であるから、最判昭和23・4・8刑集2巻4号307頁(以下、「昭和23年判例」という)によれば、被告人に対する処断は、各罪の主刑のうち重い刑種の刑のみを取り出して軽重を比較対照した際の重い罪である建造物侵入罪の法定刑によることになり、罰金刑の多額は10万円となるとの判断を示し、これによると罰金刑の選択は相当でないとして被告人に懲役2月、3年間の執行猶予の判決を言い渡し(検察官の求刑は罰金40万円)、原判決(東京高判平成30・5・24高刑速(平成30年)180頁)もこの判断を是認した。¶002