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Ⅰ はじめに

本稿は、知的財産戦略本部の20年に関する本特集で筆者に与えられた「デジタル・ネット時代における権利制限」という課題に取り組むものである。これは、著作権法上の権利制限規定をめぐる過去20年間の議論を振り返りつつ、そこで同本部の果たした役割を論じるものと考えられる。¶001

たしかに、著作権法上の権利制限規定は、ここ20年間における同法の立法論に関する一大論点であった。というのも、技術の発展や社会の変化が生じると、これに対応して、権利制限規定の立法的な見直しが必要になるからである。では、この20年間に行われてきた権利制限規定の立法論はどのようなものだったのであろうか。¶002