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 事実の概要 

株式会社安愚楽牧場(以下「本件会社」という)は、黒毛和種の繁殖牛を顧客に販売したうえ、その買主から飼養を受託して繁殖した子牛を買い取り、買主に対し利益金を支払いながら、所定の期間経過後に買主から繁殖牛を買い戻すという和牛預託商法を展開していた。¶001

平成21年1月、農林水産大臣は、特定商品等の預託等取引契約に関する法律(平成21年法律49号による改正前のもの。以下「預託法」という)における当時の主務大臣として、本件会社の事業所への立入検査を行い、同年3月、本件会社に対し、財務諸表等を適切に作成し、その結果を定期的に報告するよう指示した。平成23年8月、本件会社は民事再生手続の開始を申し立てた。同年11月、消費者庁長官は、本件会社に対して、同社による和牛預託商法に関する雑誌広告における表示が不当景品類及び不当表示防止法(平成26年法律71号による改正前のもの。預託法と併せて「預託法等」という)に違反するものである旨を一般消費者へ周知徹底することを命ずる措置命令を行った。¶002