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Ⅰ はじめに

周知のとおり、わが国の最高裁判所の法令違憲判決の数は少なく、2023年2月28日現在、11件のみである。最高裁の法令違憲判決の過少の原因として、大きく、①立法過程で内閣法制局・議院法制局が厳しく法律案の違憲審査を行っているという外部的要因と、②最高裁が憲法76条の司法権に付随して違憲審査を行い、また、様々な解釈手法を用いて法令の違憲判決を回避するという内部的要因が挙げられる。かような最高裁の法令違憲判決の過少に対応するために、換言すれば、最高裁の違憲審査を活性化させるために、憲法裁判所の創設が唱えられることがある1)。しかし本稿は憲法裁判所創設の是非を論ずるのではなく、憲法裁判所「的」機能を果たす内閣法制局・議院法制局による事前の違憲審査機能を検討し、最高裁の法令違憲判決の過少に関する①外部的要因の課題を浮き彫りにした上で、違憲審査を活性化させるための①外部的要因に関する改善の提言を行う。なお、最高裁の法令違憲判決の過少に関する②内部的要因は本特集の他の論稿で論じられているため、本稿で検討の対象としない。¶001