ブラジルでは近年、「1人の父と1人の母」原則から離れた、法律上の複数の実親関係が注目されている。日本の「藁の上からの養子」と同様に、ブラジルにおいても他人の子を実子として出生登録をして育てるという慣行が一般的に行われていた。これまでの学説・判例においては、生物学的な血縁関係がなくても、子と育ての親との間で安定した継続的な関係があり、長期間にわたり親子の情愛が生じた場合には実子としての身分が保護されてきた。また、出生登録がない場合でも、その社会生活上の親子関係(身分占有)の存在が裁判上認定されれば、出生証明書への実親子としての記載が認められてきた。