事実

本件は、音楽教室を運営するXら(原告・控訴人・被上告人)が、著作権者から著作権の信託を受けるなどして音楽著作物の著作権を管理するY(被告・被控訴人・上告人)に対し、レッスンでの教師および生徒によるYの管理する音楽著作物(以下「本件管理著作物」という)の演奏について、YがXらに対して著作権(演奏権)侵害を理由とする損害賠償請求権等を有しないことの確認を求めた事案の上告審である。一審(東京地判令和2・2・28判時2519号95頁、小泉直樹〔判批〕ジュリ1545号〔2020年〕8頁)は、教師による演奏、生徒の演奏のいずれについても本件管理著作物の利用主体はXらであるとしてXらの請求をいずれも棄却した。これに対してXらが控訴し、原審(知財高判令和3・3・18判タ1497号133頁、小泉直樹〔判批〕ジュリ1560号〔2021年〕8頁)は、教師による演奏における利用主体はXらであるとの一審判断を維持する一方、生徒による演奏の主体は生徒であるとしてXらの請求を一部認容した。原審に対するXらの上告受理申立ては不受理(最決令和4・7・28〔令和3年(受)第1113号〕)。Yの上告は棄却され(最決令和4・7・28〔令和3年(オ)第905号〕)、Yの上告受理申立て理由中、第2(生徒の演奏による著作物の利用主体に係る法律判断の誤り)が受理され、その余の申立て理由については重要でないとして排除された(最決令和4・7・28〔令和3年(受)第1112号〕)。