山本敬三・蟻川恒正両教授のコメントは、「論点整理」の特色とその限界を適切に指摘している。「論点整理」は法実践的な観点から、立法をめぐる議論を実り多いものとするための一資料として提出されている。しかしながら、法理論的な観点に立って見ると、「論点整理」にはいくつかの暗黙の前提があるのではないか。このようなコメントの問いかけに対してさしあたりの応答を試みて、むすびに代えたい。

コメントの指摘を受けとめて再考してみると、「論点整理」は制度定位型のメタ立法論(立法方法論)に立っていると捉え直すことができる。すなわち、「論点整理」においては、様々な選択肢を整序するにあたって現行法がベースとされており、制度変更の要否は現行法との関係で示されている。また、いかなる選択をすべきかは述べられていないものの、現行法からの距離の大きさが1つの基準になりうることが示唆されている。