森田論考は実務家にとって、違和感を生じさせるかもしれない。森田果教授は証券訴訟を取り上げ、損害算定のための統計的な分析手法として、マーケットモデルを紹介する。そして随所で、当事者の裁量を制約すべきと指摘する。「このように説明変数を追加していくことによってマーケットモデルの精度を高めていく作業を証券訴訟で行うことには、否定的な考えを持っている」、「ある程度の正確性を犠牲にしても、当事者の裁量に制約を施すことが必要ではないだろうか」とさえ述べる。