事実の概要 

政府のチャーター便による非正規滞在者の一斉送還は、2013年7月にはじまった。本件X1・X2(原告・控訴人)を含むスリランカ国民26人とベトナム国民6人を2014年12月18日に一斉送還したのは、3回目である。本件X1およびX2は、それぞれ1999年および2005年に短期滞在の在留資格で入国したのち、超過滞在を続け、2011年および2012年に入管法24条4号ロ(不法残留)により収容された。その際、X1は政治的意見を理由として迫害を受ける可能性があるなどとして、X2は個人的なトラブルを理由に反社会的勢力から殺害される可能性があるなどとして、それぞれ難民申請をした。しかし、両名とも、認められなかったので、難民不認定処分に対する異議申立てを行った。法務大臣は、X1に対しては2014年11月7日に、X2に対しては同年10月31日に、異議申立棄却決定をした。ところが、東京入管入国警備官が両名にその決定を告知したのは、同年12月17日であり、両名は翌日に強制送還された。このため、両名は、難民不認定処分の取消訴訟などの出訴の意思を表明しながらも、弁護士等へのアクセスが十分に確保されず、権利救済の機会を実質的に奪われた。そこで、憲法32条が保障する裁判を受ける権利を侵害し、同31条の適正手続の保障と結びついた同13条などに違反するとして、Y(国─被告・被控訴人)に対する国家賠償請求が提訴された。