((2)より続く)

Ⅱ ディスカッション(承前)

2 各論

(1) 不正競争防止法2条1項3号

田村それでは、各論に移っていこうと思います。まずは、不正競争防止法の商品形態のデッド・コピー規制(2条1項3号)というのがファッションIPローでは非常に重要だということは、皆さん一致したところですので、そこから入ろうと思います。

(a) 実質的同一性

山本僭越ながら、私が感じているところをいくつかお話しさせていただけたらと思います。まず、実質的同一性のところについて、いろいろな分析の仕方があると思うので、先生方によって様々な捉え方があるかと思うのですが、少なくとも個人的に、裁判例を俯瞰的に検討させていただいたときに、3号は創作性は要件にはなっていないとはいえ、やはりオリジナリティというか、結構新規なものだというときに、保護範囲が広くなっているような、実質的に創作性要件みたいなものが見え隠れするようなことがないでもないのかななどと感じております。それが誤っていない場合、実務感覚としては納得感があるようにも思う一方で、予測可能性の観点から、創作性の高さなどが、保護範囲にどれぐらいの広がりをもたらすのかということは、難しい問題だなとも感じております。3号制定時に、田村さんが、デッド・コピーに限って、創作性も考えないでということであれば規制して問題ないのではないかなどとおっしゃっていたこととの関係で、どのくらいまで創作性の強さによる保護範囲の調整といった処理をなしてよいのかなど、そのあたりは実質的同一性について気になっているところです。