((3)より続く)

Ⅲ 疑似的排除効

そうしましたら、先ほど話題に上がりました疑似的排除効について、もう少しお話しさせていただこうと思います。

1 本書の内容

私が提示した疑似的排除効というのは、単一要件の「構造」に由来して生ずる、判決効の疑似的な訴訟法的側面です。

(1) 単一要件と二重要件

垣内論文1)で明確にされた単一要件「説」、二重要件「説」というのは、私の理解によると、形成判決の効力を分析するときの考え方の違いです。単一要件「説」というのは、形成結果の発生が有効な確定判決の存在のみを前提としている。その意味で、形成結果の要件というのが、有効な確定判決の存在に尽きている、すなわち要件が単一であるという考え方です。これに対して、二重要件「説」というのは、有効な確定判決の存在にプラスして、当該判決で存在が確認された形成原因が実際に存在していることというのがそろって初めて、形成結果が生じるという考え方です。その意味で、要件が二重であるという考え方です。