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事実

本件は、非科学的な力による難病治療を標ぼうする被告人が、1型糖尿病にり患した被害者(死亡時7歳。以下「A」という)の治療をその両親から依頼され、インスリンを投与しなければAが死亡する現実的危険性があることを知りながら、インスリンは毒であるなどとしてAにインスリンを投与しないよう両親に指示し、両親をしてAにインスリンを投与させず、Aを死亡させて殺害したとして、殺人罪に問われた事案である。被告人は直接Aを死亡させる実行行為を行っておらず、被告人に殺人の間接正犯が成立するかが主な争点となった。¶001