はじめに

2022年2月24日に始まったロシアによるウクライナ侵攻(ウクライナ戦争。以下、同戦争にかかる日付は断りのない限り2022年である)は、8月22日で半年となる。第二次世界大戦後、国連の下で確立した武力行使の禁止と集団安全保障の枠組みを根底から覆すような事態、19世紀以来連綿として築き上げられてきた戦争法・武力紛争法の規則を平然と無視するかのような事態が、これほど長期にわたって続くとは予想しなかった。こうした国際秩序の危機的状況に直面して、われわれ国際法研究者には、今回の出来事を、ロシアによる正当化の主張を含めて客観的な視点から冷静に評価・分析する責務がある。それが長期的な国際社会における法の支配につながるからである。