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Ⅰ. はじめに

総務省は、2021年11月から「デジタル時代における放送制度の在り方に関する検討会」(以下、「在り方検」)を開催している。在り方検の目的は、デジタル化が社会全体で急速に進展する中、放送の将来像や放送制度のあり方について、中長期的な視点から検討することにある1)。公共放送(日本放送協会、NHK)については、インターネット活用業務の法的位置づけとそれに伴う受信料制度の方向性が焦点となろう。¶001

本稿は、在り方検の議論を参考にし2)、NHKのインターネット活用業務をめぐる論点を視野の中におさめて、デジタル情報空間における公共放送の社会的役割を考察することを目的とする。まず、現在のNHKの制度枠組みを確認する()。次に、この枠組みの基礎にある価値を抽出して、デジタル情報空間における公共放送のあり方を論ずる視点を明らかにする()。以上の問題設定を踏まえ、在り方検の議論の中で示された公共放送の方向性を参照しつつ、本稿なりの展望を示す()。¶002