2022年5月7日に公布されたタイ刑法典改正法(第29号)は、子どもが法律で犯罪とされる行為を行っても、刑を受けない年齢を10歳未満から12歳未満に引き上げた(73条・74条改正。なお、74条は15歳まで刑罰を科さないと定める)。改正理由として次のような点が掲げられている。第1に、医学的な観点からは、思考、知性、善悪の区別などが発達段階にあるという点において10歳と12歳の子どもの間で差異がないこと、第2に、タイの初等教育(満6歳から満11歳)の学齢と整合的であること、第3に、「子どもの権利条約」により締約国が求められる基準であり、また、国連人権理事会における「普遍的・定期的レビュー(UPR)」(第2期:2016年~2020年)の場で人権擁護のため国内制度等の変更についてタイ政府が表明した国際的約束であることがあげられている。また、保護処分を受ける若年者が再非行する可能性が高いことも理由として示されている。処遇過程において自分よりも年上の少年と接することで新たな非行手法を覚えてしまうという弊害が実際に多いのであろう。