事実

本件の論点は、交通反則告知書の受領を拒んだため道路交通法(以下「道交法」という)130条2号に該当するとして起訴された事件において、被告人が証拠となる車載カメラの映像を提示するよう要求したのに対し、それが存在するにもかかわらず、警察官らがそのようなものはないと述べたことが、同号該当性に影響を及ぼすかである。

この論点に関係する範囲で、事実経過を本判決及び原判決から摘示する。

(1)被告人は、平成27年7月12日午後8時11分頃、大阪府内の道路において、赤色の灯火信号を看過してこれに従わず、停止線を越えて普通乗用自動車(以下「被告人車両」という)を運転して進行した。同所付近で交通取締りに従事していた警察官らは、上記事実を現認したことから、直ちにパトカーを発進させて追跡を開始し、被告人車両を停止させた。警察官らは、被告人に対し、赤色信号無視を現認したなどと告げて降車するように求めたが、被告人が、黄色信号だったと主張して違反の事実を認めず、降車を拒否し、運転免許証も提示しなかったことから、被告人を道交法違反(信号無視)の現行犯人として逮捕した。