Ⅰ.はじめに

1.国連犯罪防止刑事司法会議(コングレス)について

第14回国連犯罪防止刑事司法会議(京都コングレス)は、2021年(令和3年)3月7日から12日まで、京都市の国立京都国際会館において開催された。日本は、1970年に開催された第4回コングレス(前回の京都コングレス)から51年ぶりにホスト国の役割を果たし、上川陽子法務大臣が議長に選出され、議事運営を行った。

コングレスは、国連総会決議に基づき5年に1度開催される犯罪防止・刑事司法分野における国連最大の国際会議である。1846年に第1回が開催された国際監獄会議を起源とし、国連創設後は、国連の会議として、1955年にスイスのジュネーブにおいて開催された第1回コングレスを皮切りに、5年ごとに世界各地において開催されている。コングレスには、国連加盟国から、首脳、司法・内務大臣、検事総長等のハイレベルを含む国連加盟国政府の刑事司法関係者、国際機関、NGO、学識者、個人専門家が参加し、刑事司法分野における意見交換を行った上、成果文書として「政治宣言」を採択する1)