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Ⅰ. 訴訟の概要

確立した先例の下では、州は、女性に対して、胎児の母体外生存可能性(胎児の発育の進展に基づいて決定され、妊娠ごとに異なるが、通例、最終月経から24週~28週の間で到達する)より前の自己の妊娠を終了させるという最終的な決定をなすことを禁止しえない。もっとも、合衆国最高裁判所は、2021年5月17日に、医学的緊急状態または重大な胎児障害がある場合を除いて、妊娠15週より後の中絶を禁止するミシシッピ州法の裁量上訴を受理した(Dobbs v. Jackson Women’s Health Organiza­tion, 141 S. Ct. 2619(2021))。こうして、Roe v. Wade, 410 U.S. 113(1973)およびPlanned Parenthood of Southeastern Pa. v. Casey, 505 U.S. 833(1992)を中心とする中絶判例は、今開廷期中にも変更される可能性があるものと観測されている。¶001