社外取締役(業務執行)

Ⅲ. 社外監査役への「業務執行」の委託

1. 委託の可否

348条の2による委託の対象となっていない社外監査役には、業務執行の委託はできないか。

藤田社外監査役については、348条の2に対応する規定は置かれていません。このため社外監査役への業務執行の委託はできないのか、仮に可能な委託もあるとすればどの範囲かということが問題になります。社外監査役に対する委託の可否や範囲については、令和元年改正以前に議論がありましたが、それが今なお残っていることになります。例えば、監査役が委託された職務の実態が業務執行機関に対して継続的な従属性を有する場合に、当該監査役は「使用人」に該当すると解すれば足り、それ以外は問題ないとする見解(田中亘「MBOにおける特別委員会」金判1425号〔2013年〕13頁)や、兼務禁止規定の趣旨は自らの職務執行を監査すること(いわゆる自己監査)や監査の対象である業務執行機関に従属することによって実効的な監査が行われなくなることを防止する点にあり、特定事項について個別に委任を受けて処理する限りにおいては「使用人」に該当せず兼務禁止規定に抵触しないという見解(渡辺邦広=邉英基「社外取締役の活用に関する実務上の留意点」商事法務2234号〔2020年〕31頁)が示されています。どのように考えたらよろしいのでしょうか。