薬物乱用の蔓延は数十年にわたってタイ社会に影を落としてきた問題である。2014年5月クーデタで実権を握り、国の改革を掲げるプラユット・ジャンオーチャー首相は、軍政下で薬物問題への対応を強化する一連の布告を発したほか、2019年3月総選挙による「民政移管」直前には、同年2月の麻薬法改正により大麻の医療目的の利用・研究開発等を推進する方針を明確にした。また、2021年5月の同改正では、伝統的に民間で使用されるクラトム草を麻薬法の規制から除外した。薬物関連法規の見直しの総仕上げが薬物法典である。