Ⅸ. 賠償金・和解金の額の限定

補償契約を締結した取締役が、第三者に生じた損害を賠償する和解契約を結んで不合理に巨額の賠償責任を負った。補償契約上、和解に会社の同意は必要とされていない場合は、会社は契約に基づき補償する義務が生ずるか。

藤田賠償金・和解金の額の限定の話に移ります。取締役が和解により不合理に巨額の責任を負担することとなった場合、会社には補償する義務が生じるのかという問題です。もちろん補償契約で、補償の対象となる和解をする際に会社の同意を要求していればこういう事態は防げるわけですが、そうではない場合、どのような内容の和解であっても会社は全額支払わなければいけないのかということです。訴訟費用については「通常要する費用」(430条の2第2項1号)という制約があるのに対して、和解の額については、法律上は何の限定もありません。どうでしょうか。