オピオイドとはケシの実から採取される有機化合物とそこから生成される化合物の総称であり、鎮痛効果のある麻薬性化合物を指す。例えば、モルヒネ、コデイン等の天然オピオイドのほか、ヘロインやオキシコドンのような半合成オピオイド、フェンタニル等の合成オピオイドがある。オピオイドは癌の疼痛管理に有効で、Controlled Substances Act(CSA)表2(21 U.S.C. 812(c), Sch.II)で規制される(なお、マリファナは医薬品としての安全性も欠如し、使用や所持が違法となる表1に置かれている)。しかし、米国疾病予防管理センターによると、1999年以降、米国ではオピオイドの過剰摂取等により45万人以上が、2019年は約5万人が死亡し、問題となっている。米国のオピオイド蔓延の歴史は、古くは南北戦争時の負傷兵治療にまで遡ることができるが、昨今の問題は、1995年に開発された半合成オピオイドのオキシコドンにつき、製薬会社が依存リスクを過小評価し、手軽な鎮痛剤として積極的な販売を進め、医師も慢性痛等に対し、安易な処方を続けたことから始まった。オピオイド依存となった患者は、医師からの処方が途絶えると横流しの医薬品や安価で違法なヘロイン、フェンタニル等を入手して過剰摂取で死亡する。