FONT SIZE
S 文字の大きさを変更できます
M 文字の大きさを変更できます
L 文字の大きさを変更できます

 事実の概要 

X(抗告人)は令和元年8月に設立された後、名称変更を繰り返しつつも政治活動を行っていた法人格のある国政政党である。Xは同年および令和3年に呼びかけによる借入れを行い、借入額は13億円余りに達した。令和5年3月、Xの代表者交代および代表権争いが生じたことに端を発し、多数債権者が訴訟に踏み切る中、同年9月、債権者Y(相手方)は民事再生手続開始の申立てをした。同年12月、Xは債権者に利息の支払を停止する通知をした。また、X代表者と所属国会議員との間の意見対立から、所属国会議員が令和6年1月の所属届出を出さなかったため、Xは政党要件を喪失し、政党交付金が交付されない見込みとなった。そこでYは民事再生による再建を断念し、同年1月18日、破産手続開始の申立てをしたところ、同年3月14日、東京地裁は破産手続開始決定をした。Xはこの決定を不服として即時抗告をしたが、東京高裁は、Xには破産手続開始決定の適格があるとして即時抗告を棄却した(東京高決令和6・5・30民集79巻7号〔参〕2779頁)。原決定に対し、Xは、⑴法人である政党等が破産して政党交付金を含む財産の管理処分権を失うと、政党の政治活動の自由を尊重する政党助成法4条1項の趣旨目的に反する状況になること、⑵破産配当が政党交付金による支出(同14条1項)に当たらない場合、総務大臣から政党交付金の返還命令(同33条2項1号)を受けかねないことなどからすると、法人である政党等は解散していない限り破産手続の対象とならないこと、⑶政党交付金の交付を受ける政党等に対する法人格の付与に関する法律(以下「法人格付与法」という)10条2項は法人である政党等の解散事由に破産手続開始決定を掲げていないのも⑵の趣旨で理解すべきであることから、原審の判断には法令の解釈適用の誤りがあるとして、許可抗告を申し立てた。¶001