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Ⅰ はじめに

学生競技から日本代表やプロスポーツに至るまで、不祥事は各層で顕在化し、社会的関心を集めている。とりわけ、国費等の公的資金が投入されることから、高度の公共性・説明責任が要請される中央競技団体(National Federation〔NF1)〕)においても、以前よりガバナンスの機能不全を背景とする不祥事が多く発生していた。こうした状況を受け、スポーツ庁は、2019年6月にスポーツ団体ガバナンスコード(中央競技団体向け)(NFコード)2)、そして、同年8月にはスポーツ団体ガバナンスコード(一般団体向け)3)を策定した。日本オリンピック委員会(JOC)、日本パラスポーツ協会(JPSA)及び日本スポーツ協会(JSPO)(JOC、JPSA及びJSPOを総称して「統括団体」という)は、2020年度から、NFに対して、NFコードの遵守状況を審査(適合性審査)し、スポーツ団体のガバナンス向上、不祥事対応の実効性の確保に努めている。また、2025年9月1日施行の改正スポーツ基本法においては、新たに「暴力等の防止」(29条)や「スポーツ団体の組織運営の状況についての報告等」(29条の5)が規定され、スポーツ界全体で不祥事対策が進められている。¶001