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事実の概要

「偏光フィルムの製造法」の特許につき、平成15年改正施行前になされた特許異議申立てに対して、特許庁が明細書の記載不備を理由に特許取消決定をしたため、特許権者がその取消しを求めた。¶001

本件特許は、原反フィルムとして厚みが30~100μmあり、かつ熱水中の完溶温度(X)と平衡膨潤度(Y)の2つを変数(パラメータ)とする数式により示される範囲で特定した、ポリビニルアルコール(PVA)系フィルムを用いた偏光フィルムの製造法の発明であり、いわゆるパラメータ発明の特許である。本件では、(1)いわゆるパラメータ発明の特許請求の範囲の記載が、平成6年法律116号による改正前の特許法36条5項1号(同改正後は特許法36条6項1号)の規定(以下、サポート要件という)に適合するか、(2)前記(1)が否定される場合、特許権者は特許異議申立ての段階で実験データを提出し、発明の詳細な説明の記載内容を補足し、特許請求の範囲の記載がサポート要件に適合することを主張できるか等が、主な争点となった。¶002