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有斐閣法律用語辞典第5版
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事実の概要
被告人ら8名は、昭和33年の春闘において、勤務時間内にまで及ぶ職場大会に参加するように東京中央郵便局の従業員を説得することにより、実際に従業員38名を職場から離脱させた。その結果、以上について郵便法79条1項の郵便物不取扱罪の教唆罪に該当する行為をしたとして起訴された。第1審(東京地判昭和37・5・30判時303号14頁)では、前記の郵便物不取扱が、労働組合法1条2項の正当な争議行為に該当することから郵便物不取扱罪について違法性が阻却され、したがって、その教唆罪も成立しないことを理由に、無罪とされた。その一方で、控訴審(東京高判昭和38・11・27判時363号48頁)では、当時の公共企業体等の職員については、公労法(旧公共企業体等労働関係法)17条により、「争議権自体を否定されているのであるから、その争議行為について正当性の限界如何を論ずる余地はなく、従って労働組合法第1条第2項の適用はない」として、破棄差戻しの判決をした。これに対し、被告人らは、公労法17条が憲法28条等の憲法に反すること、および、判例に反することを理由に上告した。¶001
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奥忠憲「判批」憲法判例百選Ⅱ〔第8版〕(別冊ジュリスト274号)300頁(YOL-B0274300)