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事実の概要

(1)

X(原告・控訴人・被上告人)は日本で生まれ育ち永住者の在留資格を有する外国人である。同じく永住者の資格を持つ夫と共に料理店を営んで生活していたが、昭和53年頃に夫が体調を崩した後は夫が所有する建物と亡義父が所有していた駐車場の賃料収入等で生活していた。平成16年9月頃から夫が認知症により入院したところ、同18年4月頃から夫の実弟がXの許可なくX宅で生活するようになり、Xの頭を叩いたり暴言を吐くなど虐待し、預金通帳や届出印を取り上げたため、Xは生活に困窮するようになった。その後Xは病気のため入院したが入院費用を工面できず滞納状態にあったほか、回復した後も義弟が怖くて自宅に帰れず一般社団法人が運営する施設に移転した。¶001