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 事実の概要 

Y(被告・被控訴人・被上告人)は、身体的に男性であり、自己の精子を凍結保存した。また、性自認が女性で、ホルモン注射の治療を受け、名を変更した。Yの交際相手の女Aは、Yの凍結保存精子を用いた生殖補助医療により、子B(原告・控訴人)を出産した。戸籍上、Bの父の欄は空欄である。¶001

Yは性別適合手術を受けた後、いったん、Aを守る目的や利便性からAと婚姻したものの、性同一性障害者の性別の取扱いの特例に関する法律(以下「特例法」という)に基づく性別の取扱いの変更の審判(特例法3条)を受けるために、非婚要件(同条1項2号)を満たすべく、後日、離婚した。そして、Yは、性別の取扱いの変更の審判を受け、法令の規定の適用の前提となる性別(以下「法的性別」という)を男性から女性へと変更した(以下「性別変更」という)。¶002