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 事実の概要 

映画製作会社であるX(原告・被控訴人・上告人)は「宮本から君へ」と題する映画を製作するための活動費用を補助してもらうため、Y(独立行政法人日本芸術文化振興会─被告・控訴人・被上告人)に文化芸術振興費補助金による助成金の交付要望書を提出した。これに対し、Yの理事長はXの製作活動が助成対象活動になるとして交付内定をした。ところが、交付内定の直前に、出演者のうちの一人が禁止薬物を使用し、逮捕され、その後、有罪判決が確定したために、交付内定の後にXがYに対して行った助成金交付申請に対して、Yの理事長は「国の事業による助成金を交付することは、公益性の観点から、適当ではない」として、助成金を交付しない旨の処分を行った。そのため、Xは当該処分の取消しを求めて出訴した。¶001