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 事実の概要 

映画製作者であるX(原告・被控訴人・上告人)は、映画「宮本から君へ」(本件映画)の製作活動にあたり、独立行政法人であるY(被告・控訴人・被上告人)の理事長に対して、文化庁長官から交付される文化芸術振興費補助金を財源とした助成金(本件助成金)の交付を申請した(本件申請)。¶001

Yは、芸術その他の文化の向上に寄与することを目的とし(独立行政法人日本芸術文化振興会法〔振興会法〕3条)、芸術家・芸術団体が行う芸術の創造・普及を図るための活動等に対し、資金の支給等の援助を行うことを業務としている(振興会法14条1項1号)。Y理事長が定めた要綱(本件要綱)によれば、本件助成金交付の申請を受けたY理事長は、外部有識者により構成される芸術文化振興基金運営委員会の議を経て交付が内定した場合、補助金等に係る予算の執行の適正化に関する法律(補助金等適正化法)を準用しつつ、本件助成金の交付・不交付を最終決定する(振興会法17条)。¶002