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事実
Ⅰ
被告人は、平成27年9月頃、Aが取締役を務める有限会社BがC所有の土地(以下、「本件土地」という)を購入するに当たり、本件土地の農地転用許可を得るために本件土地の登記簿上の名義人を一旦被告人とし、農地転用等の手続及び資材置場として使用するための造成工事終了後に、Bに本件土地の所有権移転登記手続をする旨、Aの兄であるDと約束した。同年10月25日、被告人が代表理事を務めるE組合に、Cが本件土地を売却する旨の合意書を作成し、その際、Dに土地代金500万円を支払わせ、同年12月18日からE組合を登記簿上の名義人として本件土地をBのために預かり保管していた。しかし、被告人は、本件土地をD及びBに無断で売却しようと企て、平成28年7月14日、株式会社Fに、本件土地を代金800万円で売却譲渡した上、同日、本件土地について同社への所有権移転登記手続を完了させたとして、横領の罪に問われた事案である。¶001