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事実の概要

少年は、3件の窃盗事件を起こしたとして家庭裁判所に送致され、少年審判において、一部の事件について非行事実が認められないことを理由として不処分決定を受けた。家庭裁判所は、少年が37日間身柄を拘束されていたことから、少年の保護事件に係る補償に関する法律(少年補償法)に基づき、職権により少年補償手続を開始して、少年に対し11万1000円を支給する旨の決定をした。¶001

これに対し、少年は、金額が低すぎるとして高裁に抗告を申し立てた。少年補償法には、変更の申出という制度(5条3項)があるものの、上訴に関する規定は設けられていないが、少年は、「刑事補償法19条の趣旨の準用ないし類推により、本件補償決定に対し抗告が認められるべきである」と主張した。¶002