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事実の概要

本件少年(当時14歳)は、1981年6月14日、千葉県柏市の小学校校庭内で通行中の少女(当時11歳)を所携の果物ナイフで殺害したという殺人の非行事実により、千葉家庭裁判所松戸支部の審判に付され、同年8月10日、初等少年院送致の決定を受けた。少年側が同保護処分決定に対して抗告を申し立てなかったので、同決定は確定した。¶001

本件少年の付添人弁護士は、1982年5月31日、少年が上記非行事実を行っておらず、審判権がなかったことを認めうる明らかな資料を新たに発見したとして、同支部に対し少年法27条の2第1項による保護処分の取消を申し立てた。同支部は、これを保護処分取消事件として立件し、審判期日を重ねたうえ、1983年1月20日、上記非行事実がないにもかかわらず保護処分をしたことを認めうる明白な新資料を発見したとはいえないとして、本件保護処分決定を取り消さない旨決定した(千葉家松戸支決昭和58・1・20刑集37巻7号〔参〕921頁)。¶002