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事実の概要
検察官は、覚醒剤取締法違反被疑事件の被疑者甲および同乙について勾留請求をしたところ、Y地方裁判所裁判官は、甲および乙は少年であり、Y市内には少年鑑別所が設置されているから、このような場合には観護措置の請求をすべきであって、本件は少年法43条3項にいう「やむを得ない場合」に該当しないなどとして、いずれもこれを却下した。¶001
これに対し、検察官は、①本件は覚醒剤事犯であって、甲および乙は別に勾留中の被疑者丙(成人)と共犯関係にあること、②丙は、警察官に対しては被疑事実を自供しているものの、検察官に対しては全面的に否認し、甲および乙は、営利目的を否認し、所持にかかる覚醒剤アンプルの本数について相互に異なる供述をしていること、③甲は偽名を用いており、乙は住居不定で同種事犯の前歴を有することからすると、甲および乙はいずれも証拠を隠滅し、逃亡するおそれが極めて大きいことは明白であり、このような事案において、勾留によらず、少年法43条1項による勾留に代わる措置をとる場合には捜査に重大な支障を来すから、同条3項の「やむを得ない場合」に該当すると主張して、準抗告を申し立てた。¶002