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事実

令和元年9月、Y株式会社(本件訴訟原告。相手方・相手方・抗告人。以下「Y社」)の取締役等が、福井県での原子力発電事業に関し地元関係者から多額の金品を受領した問題(以下「金品受領問題」)が報じられた。¶001

Y社は、日本弁護士連合会「企業等不祥事における第三者委員会ガイドライン」(以下「日弁連GL」)準拠の第三者委員会を設置して同委員会から再発防止策の提言等を受け、その後、Y社の取締役であったX1~X5(本件訴訟被告。申立人・抗告人・相手方。以下「Xら」)がY社に対する損害賠償責任を負うか等につき調査・検討を行うため、「取締役責任調査委員会」(以下「本件責任調査委員会」)を設置し、弁護士4名(L1~L4)に委員を委嘱し、本件責任調査委員会が「独立性を確保した利害関係のない立場にある社外の弁護士から成る委員会である」旨の公表(以下「本件公表」)をした。本件責任調査委員会は、Xらに対し、文書により、事情聴取に協力するよう要請し、当該文書には、事情聴取の結果は、Y社のXらに対する責任追及訴訟で証拠として用いられる可能性がある旨の記載(以下「本件記載」)があった。本件責任調査委員会は、事情聴取の結果、Xらに損害賠償責任が認められる旨の調査報告書をY社に提出した。Y社は、L1・L2弁護士(4名の委員のうちの2名。以下「L1弁護士ら」)等を訴訟代理人として、会社法423条1項に基づく損害賠償請求訴訟(以下「本件訴訟」)を提起した。Xらは、大阪地裁に対し、「本件訴訟においてL1弁護士らがY社の訴訟代理人として訴訟行為をすることは、弁護士法25条2号、4号等の各趣旨に反する」として、L1弁護士らの各訴訟行為の排除を求める申立て(以下「本件申立て」)をした。¶002