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事実の概要

事件①[福岡地区事件]

被審人日之出水道機器株式会社(以下「A」)ほか6社(以下「被審人7社」)は、福岡地区において使用される公共下水道の人孔(マンホール)用および汚水桝用鉄蓋(以下「公共下水道用鉄蓋」)の製造・販売業を営み、同地区で使用されるその全量を供給していた。¶001

福岡市は、指定業者である被審人7社のみが、公共下水道用鉄蓋用の一定の仕様を定めた鋳鉄蓋(以下「市型鉄蓋」)を供給できるようにしていた。同市は、昭和55年にその仕様を被審人Aの実用新案を採用したものに改定した。同市では、市型鉄蓋を市が直接購入せず、工事を受注した工事業者が購入するため、工事価格は、市型鉄蓋を含む価格で積算される。被審人7社は、販売業者(商社)を経由して、市型鉄蓋を工事業者に販売していた。同市は、工事価格積算のため鉄蓋の指定業者に市型鉄蓋の見積価格を提出させ、見積価格の約90%に当たる金額を工事発注の際の設計単価としており、同設計単価から工事業者および商社のマージンを差し引いたものが被審人らの販売価格となる関係にあり、そして、当該事実を、被審人らは認識していた。¶002