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 事実の概要 

X(都市銀行─原告・控訴人・被上告人)は、銀行業を営む内国法人である。MCIは、平成20年にケイマン諸島の法令に基づき有限責任免除会社として設立された外国法人で、株式会社Xフィナンシャルグループは、その発行する普通株式の全部を保有していた。平成20年12月29日、MCIは、額面1億円のMCI優先出資証券3550口を発行し、投資家に販売した。同年、ケイマン諸島の法令に基づき設立されたXの子会社MHBKおよびMHCB(以下「本件各子会社」という─Xの特定外国子会社等)も、同日、額面1億円の優先出資証券(以下「本件優先出資証券」という)を発行し、MCI優先出資証券により調達した資金を原資に本件優先出資証券の全部を購入した。本件各子会社は、同日、本件優先出資証券の発行により調達した資金を原資として、Xに劣後ローンにより金銭を貸し付け、その利息の発生期間の終期を本件優先出資証券およびMCI優先出資証券に係る配当の支払日の前日とした。劣後ローンの利息は、ほぼ全て本件優先出資証券への配当に充てられ、本件各子会社に留保することや普通株式の配当とすることは予定していなかった。¶001